仕事や家庭のことをうまく処理することができません。

仕事では、複数のプロジェクトを並行して進めます。
規模や数が増えると、うまく処理できません。
物理的な処理能力は許容範囲内だったとしても、
違うプロジェクトのことに手を付けようとすると、頭の切り替えがうまくいきません。
次に手を付けるプロジェクトの頭に切り替わらない、切り替わるのに時間がかかる、という感じです。

そういうことがわかっているので、やらなければいけないことであっても、
「切り替わるのに時間がかかるなー、だったら、優先順位は低いけどこっちのこと先にやっちゃおう」
そんな感じになってしまいます。

時々、タスクリストを作ったりもします。
プロジェクトのスケジュールや自分の週間スケジュールもきっちりつくったりします。
ですが、だいたいうまくいきません。
タスクリストを作っても、処理するタスクよりも入ってくるタスクのほうが多くなり、途中でリストに追加するのすら嫌になってしまい、それ自体を先送りしてしまいます。

スケジュールを引いたとしても、イレギュラーがおこって、だいたい終わりません。
バッファを見込んでしまうと、採算や納期に間に合わない、ということになります。

あと、今の仕事は裁量はかなりあるのですが、同時に思考と決断を求められる局面がたくさんあります。
タスク自体も、単純作業というよりかは、「どうするか」という判断や決断を行うタスクが多いです。

決断に時間がかかることも多いため、そういうタスクがあると、先送りにしてしまいがちです。そういうタスクはたいてい重要なタスクなので、同僚や顧客から信頼を失いがちです。

裁量はあるものの、結局自分だけで判断してしまうのもリスクがある、そうだ他の人にも相談しよう、でもあの人返事遅いしな… などと理由をつけて、決断系のタスクを先送りにしてしまいます。

最近、私の職場では人手不足や管理不足もあり、私の仕事上の行動が遅くても、大目に見てもらうことが多くなりました。しかし、顧客からは、厳しいお叱りもいただきます。ある程度人手不足や管理不足であることは含んでいただけるお客様もいるのですが、実際のところは、私の至らない先送りにする性格でご迷惑をおかけしていて、自己嫌悪を感じます。

ただ、好きなプロジェクトや、自分の得意なタスクは、ものすごく集中して取り組むので、そういう部分的なところでは、顧客や社内から高く評価を頂くこともあります。全体のプロジェクトからすると、ごくごく一部のパーツなのですが、そこだけ完璧に仕上げる、そういう仕事ぶりをしてしまうことがあります。逆に、自己管理も含めて、プロジェクト全体の管理、そして複数のプロジェクトを束ねて全体を管理することは、とにかく苦手です。

私がタチ悪いのは、その苦手がわかっていた上で、先送りしたり放置したりするところです。そして、その自己管理能力がないところに、自己嫌悪を覚えます。

思い返せば、私は自己管理ができない、放置・先送りする、逃げる、そんなことばかりでした。高校(に相当する教育期間)を2度中退しています。2回とも、学業に真面目に取り組めなかったからです。授業が嫌、テストが嫌、出席しなくなり、単位が取れなくなり… 負のスパイラルでした。

大検は取りましたが、実家の経済事情が悪くなり、大学進学はあきらめ、フリーター生活を余儀なくされました。当時は「進学できないのは、全部親のせい」と思い、責任を他人になすりつけていました。同級生はキャンパスライフを謳歌しているのに、自分は深夜のコンビニでバイトしている。そんな現実がとても惨めで、せめて余暇の時間は同級生と同じぐらい遊びたいと思い、親に内緒で借金を重ねました。そんな自己管理ができていない私ですから、借金はどんどん膨れ上がり、督促状がどんどん届きます。親にはバレましたが、無視を続け、ついに時効でチャラにしました。今あらためて思うと最低ですね。

フリーター生活の途中から、派遣社員になりましたが、その仕事はかなり性にあってました。給料も良かったですし、その時は少しずつ借金も返していました。やることはかなり小さな単位なのですが、決められた時間の中で、間違いなく、自分の裁量も少しあって、仕上げるような仕事でした。仕事のボリュームは、ある程度管理職の人が管理してくれていたので、オーバーワークということもありませんでした。拘束時間は長かったですが、若かったこともあり、体力でカバーできていました。顧客満足度も今に比べたらとても高く、お互いに信頼して仕事ができる環境だったと思います。

しかし、ある時体を壊してしまい、派遣契約を切られてしまいました。後から考えると、体調不良だけでなく、扱いにくい派遣社員だったと思います。その職場では、派遣といえども優秀な人は長く勤めていました。どこかで、自分は派遣であっても、必要な人材、そんな思い込みで、天狗になっていたのを、管理職側は気づいていたのかもしれません。どこか使いにくかったのだと思います。

切られてしまってからは、4年ほど個人事業主として仕事をしました。これも、今思えば自己管理の出来ていない自分がやるべきではなかったのかな、と思います。実家ぐらしで、パソコンひとつで出来る仕事だったので、売上がなくても、なんとかなりました。返せない借金は、相変わらず無視し続けたまま…

それなりに仕事をもらえた時期もあったのですが、いつもより大きなプロジェクトを受注して、失敗しました。まとまった金額を前金でもらってしまい、外注にも支払ってしまいました。あとでプロジェクトにクレームがつき、揉め事になっていきました。最終的には、お金を返せ、という裁判にもなってしまいました。クレームも、最初に誠意をもって対応していたら問題なかったかもしれません。クレームに向き合う勇気がなく、のらりくらりと連絡を返さずにいると、裁判になってしまったのです。

この揉めたプロジェクトがきっかけで、家族からは個人事業主をやめて就職しろと言われました。恥はかきすてで、いろんな会社を周りました。幸いにして、個人事業主をやってたという経歴を買っていただける会社があり、今の職場となりました。今の会社の社長には、裁判のことを打ち明け、弁護士を紹介してもらいました。弁護士費用の一部を建て替えてもらいました。でも、プロジェクト自体の返金は自分で行わなければなりません。この費用は、結婚を控えていた、今の妻に立て替えてもらいました。

結局、裁判は和解という形で迎えるのですが、今の会社には2年近く勤めています。2年間、コツコツ勤めながら、妻や社長に返済をしてきました。妻や社長からは、よくがんばったと言われますが、一方で今の仕事ぶりには、自己嫌悪の毎日です。

裁判の前と後で大きく違うのは、自責と他責という言葉を知ったからでした。マンガの「7つの習慣」を読んだのですが、第1の習慣で大きく意識が変わりました。フリーターで借金していたころ、個人事業主の頃は、どこか自分にプライドがあり、自分の失敗や良くないところを、他人のせいにしていたと思います。今は、すべて自分のせいだと思うようになりましたが、そうなると途端に、自分の至らなさ、人間の未熟さに自己嫌悪です。

家庭についても問題です。

会社には世話になったのですが、労働環境や福利厚生などから、妻からは転職するよう言われます。ヘッドハンティングではないですが、周囲からそこの会社へ誘われることも多くなりました。実は、転職に挑戦したい会社もあり、転職活動に時間を割きたいんです。しかし、会社の仕事がこんなですから、終わるものも終わらず、かなり残業してしまいます。今転職すると、担当しているプロジェクトの顧客に迷惑がかかる、そんな気持ちもあります。その気持ちが、うまく転職活動への時間を割けてない節もあります。自分に対する言い訳かもしれません。

結局、自分や家族がより幸せになるための家庭のプロジェクトを、他の理由がブロッキングしていて、それを理由に幸せになるためのプロジェクトが停滞している、そんな感じです。転職活動は、在職中にしたほうが有利と聞いていますし、みなさん大変な思いをしながらされているようなのですが、なかなか思うように進められません。

自分が今まで、先送りにしたり、逃げたり、相手を無視したりしてきたことが、今の人生に大きくのしかかっている気がします。がんばって大学受験したわけでもなく、運動部で理不尽なシゴキに耐えてきたわけでもありません。困難に立ち向かう、自分がやらないといけないことのうち、やりたくないことからは逃げ、やらなくてもいいのに、自分がやりたいことは進んでやってしまう。そういう性格や姿勢になってしまったのかな、と思います。

ああそうだ、大学受験はしなかったですが、中学受験はしたんですよね。あの時はがんばりました。結構スパルタな塾を転々としました。転々としたのは自分の意思ではなく、親の判断でしたが。思うように成績があがらないので、徐々に厳しい塾へかわり、最後は先生が竹刀を持っているようなところでした。ガッチガチに管理され、監視下で黙々と勉強する。そのかいあって、二次志望でしたが、ひとつ合格できました。でも、そこから転落してしまったんですよね。受験が終わり、つかの間の春休みを遊びまくって、今まで数年間テレビもゲームも禁じられていたので、その反動が春休みを過ぎても終わらなかった。中1の中間テストまでは良かったのですが、その後は赤点ばかりでした。クラブ活動は文科系でしたが、気の合う仲間たちと遊ぶのに夢中になり、全然勉強しませんでした。いや、仲間たちはそれなりの成績を取っていたので、仲間と遊んだのが原因ではないですよね。結局、辛いことから目を背けて、楽しいことばかり数珠のようにつないで生きようとしていたと思います。

今自分の半生を振り返ってみると、自己嫌悪の嵐です。これが自己嫌悪だと気づくようになったのがつい最近というのも情けない話です。

せめて、まっとうの社会人として、同僚や顧客から信頼される仕事をしていくには、どのように改善していけばいいのでしょうか…