22歳、大学生の娘が、風俗のバイトをしていたことがわかりました。
今から考えると、ここ2年ほど、おかしいと思えることはたくさんありました。
しかし成人した娘に対して、必要以上に干渉したり、親の勝手な理想を押し付けたりしてはいけない、と自分に言い聞かせ、嘘かもと疑いつつも外泊や旅行の言い訳を信じてきたのです。

あるきっかけから、生活圏から離れた産婦人科医院に通院していることがわかり、部屋に無造作に投げ出してあった薬を調べてみました。ピルを服用していることを初めて知りました。
(娘は発達障害があり、机や部屋を片付けることができません。小さい頃から工夫を凝らし、根気強く教えてきましたが、思春期以降、これでは親の過干渉ではないかと反省して自立を促すと、部屋はゴミだらけの汚部屋になってしまいました。今、部屋に一歩入ると、大事なものも、飲みかけの薬も、食べかけのお菓子も、使用済みティッシュも、洋服も下着も何もかも散乱しているのです)
その時に見つけたエアチケットや、給料明細らしきものから、性病感染の危険を伴うハードな風俗でバイトしているのではないか、と思うに至りました。

私自身、10代の度重なるレイプに始まり、数々の性被害を受け、性に関して大きなトラウマがあります。
そのため、これまで、娘に対してきちんと向き合って、性について話したことがありませんでした。というよりも、苦しくて苦しくて、そんな機会を持つことができないまま時が過ぎ、タイミングを逃してしまいました。

また、就業経験の一助にとコンビニや雑貨店でバイトするように勧め、娘も学校の傍ら真面目に働いて月々5~6万円を得ていたので、学費や食費、交通費等を親が負担した上での、大学生の小遣いとしては十分だと思い込んでいました。
まさか、もっともっと、いくらでも、あればあるほどお金が欲しいと考えているなどとは、思いもつきませんでした。

中学生の時の失恋が大きな傷になってしまったようで、恋愛にはとても消極的で、これまで特定の彼氏がいたことはないと思います。もっとも、意志を持って親に隠していたのならわかりません。
逆に言うと、だからこそ安易に風俗バイトができたのかもしれない、とも思います。

先日、決して責めてはいけない、尋問も、詰問もしてはいけない、と自分に言い聞かせながら娘に話をしました。娘は
「誰にだって秘密くらいある。親でも友達でも所詮は他人。他人に話すつもりはない。無理やり聞き出そうとでも言うのか!?」
と啖呵を切りつつも、誰に聞いたのか、どうやってわかったのか、としきりに訪ね、結果的に風俗でのバイトを認めた形になりました。

私はどうしても、風俗で働くことも、また働いている女性も認めることができません。
自分の性被害のトラウマとごっちゃにしてはいけない。確かにその通りです。
それでも、性を売ることは、己の尊厳を踏みにじる行為だと思えてならないのです。
自分で自分を踏みにじる行為としか思えないのです。

これは私の、勝手な一人よがりの価値観です。押し付けてはいけないのでしょう。
そういうことをしてはいけないのだ、と、きちんと教えなかった、母親としての私の責任はもちりん大きいでしょう。
悔いても悔いても、取り返しがつきません。
私は娘にたくさん謝りました(気付いてあげられなったこと、もしかしたら寂しい思いをさせていたかも知れないこと、あなたの気持ちが何にもわかっていなかったことなどなど)が、娘は最後まで無表情でした。

望む子供でなければ愛せない、私は愚かで醜い母親でしょうか。
どんなあなたも愛しているよ、と言えない私は毒親でしょうか。