最初にはっきりと申し上げますが、私の人生は詰んでいます。

* 現在の境遇

 生まれてから馬齢を重ねて、もう36年も経ってしまいました。なのに私は、あろうことか、まだ実家の親元暮らしの身です。
 出ていきたくても抜け出せません。両親は、私が他所で一人暮らしをすることに頑なに反対するのです。
 家が元々祖父母が住んでいた二世帯住宅で、「住み続けられる2階があるのに一人暮らしのために家を出て余計な金を使うなど馬鹿げている」といった言い分や、「2階に住み続けてくれた方が手入れの手間がかからず都合がいい」程度の理由で、私を住まわせ続けようとする有様です。
 幸い正社員で仕事はしており、今のところ失業の憂き目にあうおそれがほぼないことには感謝しています。
 引きこもっている訳ではなく、むしろなるべく家の外に出るようにはしており、和楽器の演奏や電車旅行といった趣味もあります。

* 諦めと恐れ

 仕事で稼いだお金と自分の力で生活を切り盛りしたいのに、この境遇のせいでそれも諦めています。
 恋愛について言及するなら、元々異性と付き合う自信がなく、自分のせいでひどく迷惑かけることを恐れてか、20を少し過ぎた頃から避けていました。
 もっとも、異性との交際に限らず、この歳で親元で生活しているなんて打ち明ければ、今の社会では、相手が誰であろうとたちどころに信用を失い軽蔑されるだろうと思ってしまいます。
そんな奴は大人とは認められず、「いい歳して親のスネかじるような甘ったれたガキ」と見做され、相手にされなくなると思ってしまいます。
 そうなる事や、惨めな落伍者という目で見られることへの恐怖からなのか、自分から人付き合いを避けてしまっていることは、自分でも分かっています。

* 身内への不信感

 祖父母が亡くなって暫くはある程度信頼を寄せつつあった両親のことは、もはや信頼できるはずもなく、あろうことか、夜が来るたびに殺意まで湧き上がる始末です。
 この家が憎い。あいつら両方とも憎い・・・そういう激しい思念が湧き上がっては鎮めるのに苦心する日々を、久しく送っていました。
 「親を殺したくなったら読む本」「もう親を捨てるしかない」「毒親絶縁の手引き」「家族じまい」「復讐マニュアル」・・・そういった題名の本を買い求めて、何度も見返しては、自分の醜さに圧し潰されるようでした。

* 淡い希望

 私と似たような境遇で塞ぎこんでいるような異性と交際してみたいと思う時はあります。
親の勝手な思惑で実家暮らしから抜け出せずにいるような、失意の底に沈んで引きこもり続けているような、そんな異性とです。
 私自身、少しでもそういう人の助けになれるように、必要に応じで勉強や、自分を磨く何かをしてはいます。
 また、仕事ではもっと成果を挙げ貢献して、自分がそこにいることの価値を高めていきたいと思っています。

* 深い悩み

 自分から家を出て一人暮らしをすることを主張しても、また突っ撥ねられるのがオチです。
 そもそも今の私の状況では、家の人間との衝突は、殺人など最悪の結末に繋がりかねないです。
 しかし、そんなことには至らせずに、今とこれからの自分が家と親の両方と距離を置くには、どうしていいか分かりません。
 私一人の頭で考えるだけでは、もう何が何だか分からないのです。一体、どういう方法があるのでしょうか。