いつも心の奥底に穴があいている気持ちで生きてきました。それが、どうも育った家庭環境にあるらしい、と言うことに最近気付きました。

私は幼少期から高校生くらいまで殆どの自由時間を車の中で過ごしてきました。
「家にいるとロクなことしないから」
と、毎回車に乗せられ、パチンコ屋の駐車場に放置されていました。昼でも夜でも、学校帰りに迎えに来られてそのままパチンコ屋に…なんて事もザラでした。夏でも冬でもお構い無しなので、出かけるときは自分で毛布や暇つぶしの本を準備したりして車に乗り込んでいました。母はそんな時褒めてくれました。
普段の生活でも、
「危ないから、あんた何するか分からないから」
という理由で外に遊びに行くは禁止でした。友達を家に呼ぶのはOKでしたが、家はひどく散らかっていて飼っていた犬の毛や糞尿もそのままの事が多かったので、中々呼ぶタイミングはありませんでしたし、パチンコ屋に連れて行かれてそもそも遊べない事の方が多かったです。
また、習い事もいくつかやっていてあまり自分の時間もありませんでした。
母は気分屋で、気分が悪いと私の日々の失敗や私と遊ぶ友達、学校の成績について延々と車の中や家の中で小言を言ったり怒ったりしていました。母の意見に口ごたえしようものなら、火のついたように怒っていました。

その後、父の経営していた会社が倒産し、同時期に母は癌だと判明し、家は競売にかけられて転がり込むように母の実家に3人居候しました。
ですが、引っ越すまでのほんの少しの間、父は日銭稼ぎで不在、母は入院中…誰も居ない、私と犬達だけの生活は2週間ほどでしたが、本当に天国のように素敵な時間を過ごすことが出来ました。


その天国の時間を知った私は、その後無理矢理奨学金を取らされ大学にも行かされましたが、じっくり計画を練って寮付きの会社に就職して家からも新幹線で何時間も先のところまで逃げました。


逃げた後は幸せな生活です。ささやかな寮暮らしでも、誰も私を車に閉じ込めない、誰も私を怒らない、馬鹿にしない。貶さない。
幸せでしたし、昔は母とも色々あったけど、良い家族だった。、数年前はそう本当に思っていました。


私は夜、寝る前の時間が怖くてなかなか寝つけません。友達は居ません。友達が出来ても、自分で連絡を取るのは怖いですし、数年経つと友から逃げたくなりある日突然連絡を絶ったり、消えたりします。職場で褒められると本心じゃないのに何でそんなことを軽々しく言えるのかと寒気がします。みんなの笑顔には何か裏があるような気がして信じる事が出来ません。
そういうのの積み重ねで体調を崩して仕事を辞めました。

そんな事があり、私は今一度自分を見直そうといろんな本を読みました。そして、うちの母親はあまり良い人ではなかったかもしれないという考えが浮かぶようになりました。
その考えに至った時、私は感じた事が無いくらいに怒りました。ですが、もう過ぎたことだし、母親も思う所があったのかもしれません。
…そんな風に考えたら考えるだけ石を飲み込むような気分になります。

私の家庭がいわゆる毒親家庭かどうかは分かりませんし、もっと辛い思いをされてる方は沢山いらっしゃると思います。ですが、私もとても辛かったし、消えたいと思わない日は無かったです。
この気持ちが家庭のせいだったと気づいた時、皆さんはどう乗り越えているのでしょうか。
私は自分の抱える苦しさと母親達への怨みでどうしようもなくなる時があります。